−ファーストコンタクト−
 サインクラブのオープンスペースを地元へ告知するためにチラシをつくった。

 内容は、SC-千駄ヶ谷を見てほしい。いろいろと悩んだ末にこの形に落ち着いた。但し、全文は載っていない。SC-千駄ヶ谷は地域密着型を目指しているので、全国向けにオープンできない事は除いてある。

サインディスプレイのチラシをつくるにあたって一番の問題は、我々の業界用語が一般に通じる言葉になっていない事。
 例えば、シート切り文字。業界関係者であれば、すぐにマーキングフィルムの事とわかるが、一般にはなかなか理解できない。業界の人間ですら、カッティングシートが商標と知らない者もいる。
 『ほら、ビニールみたいで、裏に糊がついていて・・』『あ〜ガラスに貼るシールみたいなやつ』『そうです!それです』となる。それに切り文字となるとますますお客さま混乱する。コンピュータで、うんぬんかんぬんとなる。
 次にアクリルの切り文字の説明となると、もっと複雑になる。これは、レザー光線で切るんですとなり、『ほ〜すごいね〜』となる。と、ここまで書いて、これは変だと思っている。
 例えば、冷蔵庫を売っていて、この冷却剤はうんぬん・・・扉の金具はかんぬん・・・扉の金型はうんぬん・・・塗装はかんぬん・・・と言っているの等しい。何か変である。
 野菜が瑞々しいまま一週間持ちますとか、肉の味が落ちませんとか、つまり冷蔵庫の場合、食品を入れておくので、食品の保存状態について、まずは知りたいはず。

 これに当たるものは、サインディスプレイにとって何か?難しい問題である。わからなくなったら、昔、先輩たちがカッティングマシーンもコンピュータもない時代に、シート切り文字という商品をどのように広めたのか?出発点を知る事は重要である。いろいろと面白い話しが残っている。申し訳ないがここではこれ以上はアイデアに属することなで、記述しない。
 また、最近よく看板屋さんのチラシで、看板本体の写真が載っていて、これはいくらいくらとなっている。チラシからは、表示面が別であると理解しにくい構造になっている。最近、ある資材屋さんのカタログを見ていたら、今まで看板となっている言葉が、半完成看板という括りになっており、なるほどと感心した。言葉は使いようである。既成看板の価格はほとんどが半完成看板である。

 では、どのようにすれば、一般のお客さまが、自らの発想・考え方をサインディスプレイ業者に伝えられるのか。やはりファーストコンタクトには、最初に言葉ありきなのか?と、知恵を絞る。我々の場合わかりやすくサインディスプレイの仕事を説明するのは二の次にして、SC-千駄ヶ谷の存在について、お知らせする事にした。
 ちなみに、このSC-千駄ヶ谷のチラシやショップカード・ポスター・名刺などは完全に内部で製作した。実はこれは驚くべき事で、いまから10年前では、考えられない事であった。クオリティーも申分なしの上に、ランニングコストから考えても、安いのである。
 印刷では、あと30枚チラシが追加したくても、500枚も30枚も一緒と言われてしまう。それで、コピー機を使う。当然、完成度は落ちる。
 以前、お店の本日のお薦めメニューに使う元原稿を頼まれたことがある。元原稿をコピーして使うのだと言う。白黒のコピーで何度コピーしても完成度の落ちない画像処理をして渡した事がある。
 あるFCの飲食に入ると、お薦めメニューが習字の手描き文字になっていた。よく見ると、FAX用紙でつくられていた。本部が一斉に送るのだろう。たまたま、FAXの履歴が紙の端に残っていたので、FAXと気がついた。これもアイデアである。

 さて、SC-千駄ヶ谷もファーストコンタクトを目指して、チラシ配りで街中に出てみた。ほんの2-3時間もまいているといろいろな事が見えてくる。まず、街の状況がわかってくる。世の中、想像以上に悪い。どこが悪いのかというと、一階の路面店がかなり空いている。入居者募集の貼り紙が目につく。
 空き店鋪を調べてみると、かなり家賃が高い。商売をやりたいが、入居までの敷金保証金のコストがかかり過ぎる。この御時世、ランニングコストが高いのは、あまりにもハイリスクである。という言葉がなかなかビルオーナーには伝わらない。また、昨今、敷金保証金がかならず帰ってくるという保証もない。
 半年前、SC-千駄ヶ谷の近くのビルの2階に小料理屋ができた。一階入口周りにも気を使い、構えとして結構上手くいっていた。しかし、何かインパクトにかけていた。でも、一度入って見ようとと、思っている間に、店はたたまれた。何かお手伝いできる事があったかもしれない。しかし、ファーストコンタクトがとれない。

 余談になるが、最近、飲食関連のFCでも居抜きに近い型で場所をかりる話しを聞く。壁紙、椅子、テーブル、照明器具を変えて運営する。これは、ランニングコストの問題である。店を借りる時に、床壁天井が何もない場合、内装費にかなり違いがでてくる。豊富に資金があればいろいろとできるが、なかなかそうはいかないのが現状である。ディスプレイをうまく活用して、イメージを変える。ここに知恵を絞るのが、われわれの仕事である。

 ファーストコンタクトをとる為に、お店にもご挨拶に入らせていただく事がある。お忙しい中ほんの少しご説明をさせていただく。有り難い事である。これを何度もくり返していると、それぞれのお店の状況が見えてくる。これは、予想外の収穫である。サインディスプレイのサービスをやる上でかなり重要な情報がいただける。案外ダメなのが、金融関係。街の情報を聞いてもあまり返事が変えてこない。
 当然、店に入るとにべもなく断られ、挨拶もできない事がある。最初、これは嫌な事であった。が、何回かくり返すと、そこにファーストコンタクトという行為で見えてくる情報がある事に気がついた。また、挨拶ゃ、入るタイミングなど、心得ておかなければいけないマナーというのもあるようだ。
 これもアイデアになるので、これ以上書かないが、みなさんも一度、試してみるといい。いろいろと見えてくることがあり面白い。

 代理店経由では、なかなか聴けない事が、ファーストコンタクトの作業の下に埋もれているような気がする。まずは、サインディスプレイの利用法を伝えることから、ファーストコンタクトははじまるのか・・・



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