−ピクトグラムの意味と使い方ー
 今回のお題は、ピクトグラム(絵文字)。下にあるのがよく街中でみかけるピクトグラム。ある特定の機能と存在を言葉ではなく、絵によって伝える目的でつくらている。いわゆる絵文字である。下のピクトグラムは、以前、百貨店の仕事のしている時につくったものである。それをちょっと画像処理した。(作ったと言ってもデザインしたわけではない。百貨店の仕事をしていると毎度、このサインがでてくるので、仕方なく作ったものである。)


 お店で関係してくるピクトグラムは、トイレ・お勘定場・避難誘導・非常口・禁煙・喫煙所・電話・携帯電話・駐車場・駐輪場・ペット禁止・など結構いろいろある。

 このピクトグラム、歴史を探ると気の遠くなる時代まで遡ってしまう。いわゆる記号論の世界までいってしまう。例えば、家紋。これの発祥など、一介の看板やには、預かり知らぬことではあるが、たまに家紋の仕事も入ってくる。昔は、紀伊国屋か図書館に走って資料を集めていた。今は、インターネットがあるので楽である。
 家紋に関して三省堂の記号の辞典によれば、(・・・系譜的には、平安公家の衣服や輿車(よしゃ)などの文様から派生したものと、鎌倉武家の旗印や馬標などから生じたものがある。・・・)とある。
 この文章を読む限りにおいて、お店に近いのは鎌倉武家のようである。家紋のサインの特徴は、家紋が持つ機能として、公と私が一緒になっていることである。家紋と言う公的なシンボルシステムを使いつつ、私をアピールする。どことなく、企業のロゴタイプとも似ているが、時代が違うので、一概に同じとは言えない。
 ネットを覗いていたら、武蔵工業大学環境情報学部情報メディアセンタージャーナル2002.4 第3号 論文ピクトグラムの文法構造 清水由美子 SHIMIZU Yumiko 武蔵工業大学環境情報学部助教授と言う方の論文を見つけた。難しいが面白い。末尾にアドレスを入れておくので、興味のあるかたは一読を。

 ピクトグラムについて書くとかなり難しい話しになりがちである。サインクラブでは、それは避けたい。何故、難しくなるのかと言えば、文字と記号は、兄弟だからとしか言えない。そうした事は、大学の先生にお任せする。
 実はネットでピクトグラムではなく絵文字で検束すると、話しは別のところにいってしまう。
 (^o^; (^-^; (^.^; (^_^; (^O^; 確かに絵文字である。
 人には好き嫌いがあるが、筆者はこれが嫌いである。ただピクトグラムにしても、絵文字にしても基本は、自然発生的に生まれてくるもののようだ。理屈は後付けであると、筆者は思っている。後付けがダメと言っている訳ではない。分析は、必ず必要である。ただ分析した通りには、物事は動かない。
 今は見なくなったが鳥居のマークというのがある。若い人は知らないかもしれない。ネット調べれば、わかるかもしれない。

 さて、今は鳥居のマークは見なくなったが、どこのお店に行っても、トイレぐらいのピクトはついている。百円ショップにも、トイレ・禁煙・駐車禁止といろいろと揃ってはいる。これは便利とお店の御主人が買っていく。
 サインクラブとしては、
ちょっとまった!と言いたい。やっと本題に入った。

 もともと、ピクトグラムというのは、公共性が強いサインの一種である。

 サインにはおおまかに分けると、非標識系と標識系に別れる。非標識系とは、標識ではないのに標識がわりに使われるものをさす。郵便ポストとか、学校とか、大木とか、本来の機能とは別に、位置・方向などをあらわすものとして代用されてる。
 そして標識系は、また、三つに分かれる。1-公共系・2-商業系・3-その他。3-その他は、まだ、サインと認知されていないものをさしているので、除外してかまわない。サインクラブであつかっているサインとは、この2-商業系のことである。(この商業系のサインをさらにカテゴリごとに分類していくと、100タイプぐらいに別れる)

 余談になるが、公共のサインの仕事はした事がない。世の中に道路標識とかいろいろあるのだが、この仕事が、どこで動いているのかまったく知らない。実際にあるサインを見るとどのようにつくるのかはわかっても、仕事がどこにあるのかお目にかかった事はない。
 余談はさておき、話しを続けよう。サインにおける公共系・商業系の違いについて一言で言えば、公の場と私的な場の違いと言う事である。言い換えれば、公の場では丸裸になれないが、私的な場であれば、丸裸にることも可能である。この違いは、水と油である。

 サインクラブが応援しているのは、どこにでもあるお店である。公的機関ではない。公的なものは、その性質からして普遍的な構造を追求しようとする。私的な、どこにでもあるお店は、その存在を差別化しようと努力する。同じ用途で使われるのに、その性質はまったく逆である。

 例えば、大きなショッピングセンターの駐輪場のピクトグラムが、公共の場のピクトグラムと同じあるで場合で、それを見た人が感覚的に、私と公との区別をなくしても不思議ではない。そこは、駐輪場であって公も私もない、と言う事になる。
 あるラーメン屋さんでは、店の片隅の柱に煙りの形をしたフキダシの紙にPlease No Smokingと書いてあった。英語として正しいかは別として、あの強制的な禁煙ピクトよりかはましとサインクラブは考える。安易に禁止サインを多用すると、お客は居心地が悪くなる。お店のイメージも悪くなる。

 また、ある飲み屋さんでトイレに入ろうとした時、トイレの扉が2枚あって、両方の扉に幅5ミリ長さ60センチほどのラインが付いていた。片方はピンク。もう片方はブルー。普通の人であれば、これでどちらが男か女かわかる。では、色弱の人はどうするか、この問題が残る。お店の人が教えてあげればよい。

 不思議な事に、トイレのピクトのデザインセンスが良いところは、トイレもきれいであるし、サービスもいいということがままある。

 これは、もてなすと言う意識がとても高い店であるということか。居心地のよい空間で、買い物をする。お酒を呑む。食事をする。本来、サインにしてもピクトグラムにしても、その場の雰囲気を壊さない事が原則である。その上で、はじめて機能性を追求する。だから、お店をやっていらっしゃるご主人、安易に安物のトイレピクトをつけるのは、お止めになった方がよい。

 と言っても、唯一例外のピクトグラムがある。それは、避難誘導のピクトである。これだけは、共通が望ましい。

 では、サインクラブが言うピクトグラムは、どこに売っているのかと聞かれる。実は、あまり売っていない。本来であればここに見本をお見せすればよいのだが、これが難しい。デザインは見せると直に真似をされる。ここが、一番の悩みのタネである。そこで、今回は、イメージ素材を使ったものをお見せする。これは、厳密にはピクトグラムではない。これで、ご勘弁願いたい。

 どうしても見たいと言う方は、
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-16-9タカノビル301号 サインクラブ(D-UNIT内)TEL:03-5770-5151まで、来てください。

 最後に、公的な場所も同じピクトグラムで統一されていれば、本当に便利か?サインクラブは疑問に感じている。例えば、駅前開発なので、よくつくられるモニュメント。いまだに何の意味があるのか、理解できない代物である。そして、判で押したようにピクトが乱立する。街の個性とは何か?を考えているのかと聞きたくなる。自説として、駅前が公共的にきれいに整備されている街は、つまらない街が多いし、夏は反射光で目が痛い。人に優しくないという感じてある。

長野五輪のピクトグラム
http://www.shinmai.co.jp/olympic/alacarte/picto.htm
交通エコロジーモビリティ財団・一般案内用統一図記号ガイドライン
http://www.ecomo.or.jp/symbols/page00index.html
武蔵工業大学環境情報学部情報メディアセンタージャーナル2002.4 第3号
論文 ピクトグラムの文法構造 清水由美子SHIMIZU Yumiko 武蔵工業大学環境情報学部助教授
http://www.yc.musashi-tech.ac.jp/~cis/cisj/2002journal/3-09.pdf


ご意見・ご感想はお問い合わせページからお願いします